石持浅海

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒業。


君の望む死に方
祥伝社ノンノベル (2008.3.20)

"The Death You Desire"
ガンで余命最大六ヶ月と宣告された、ソル電機社長の日向貞則が最後に望んだ事は、ある人物に自分を殺される事。それを相手に悟られてはいけないし、その人物が殺人罪で捕まってもいけない。入念に準備されたその目論みは・・・


賢者の贈り物
PHP (2008.4.7)

解ける謎も、解けない謎も、すべて混ぜこぜにして、有名な昔話や逸話のパロディーに改編。ちょっと考えすぎ〜な感じもする10のミステリー短編集。


ガーディアン
光文社・カッパノベルズ (2008.8.25)

飛んできた物体を跳ねのけ、悪意を持った攻撃には逆襲をする「ガーディアン」。 しかしこの効力は、勅使河原冴に対してしか働かない。 彼女の名付けたこの不思議な力は、彼女の父の死後見られるようになったため、 彼女はその正体は父だと思っている。 子供の頃には、気味悪がって彼女の回りから人が離れていくだけであったが、 そんな彼女も就職し、会社に勤めている。 社会人になってからは、「ガーディアン」の事は人には言わないようにしている。 就職して3年ほど経った頃、彼女はあるプロジェクトチームに参加することに なった。そしてそこには、学生時代からのくされ縁の友人がおり、 ふとした折に、「ガーディアン」の事をばらしてしまった・・・ ・・・ その後、彼女はプロジェクトチームで出会った栗原洋樹と結婚し、娘の円が 生まれた。 プロジェクトチームが解散する直前に、「ガーディアン」を失ってしまってい た冴であったが、今度は円に「ガーディアン」が働くようになったようだ。 年月が過ぎ、円は中学生になった。 そして彼女は、逃走する銀行強盗集団と、郵便局で出会うことになった・・・


心臓と左手
光文社 (2007.9.25)

石持さんのミステリー短編集。副題は「座間味くんの推理」。 『月の扉』の座間味くんが、安楽椅子探偵として再登場!


BG、あるいは死せるカイニス
光文社 カッパノベルズ (2007.6.25)・・・東京創元社(2004.11)

流星観測をした翌日、学校内で殺人が発生した。 亡くなったのは西野優子というこの学校の天文部の学生。 生徒からの信望は厚く、男性化する筆答候補と考えられていた。 そう、この世界では人間は全て女性として生まれ、生物学的に優秀な種のみが 後に男性化し、その子孫を残すという構造になっているのだ。 さらに男性化には一度は出産経験が必要なため、女性が男性をレイプする事は あっても、逆はない。 しかし優子の体には、レイプ未遂の形跡があった。 親の違う妹である船津遥は、事件の解決は警察にまかせつつも、 姉の死に激しい怒りを感じていた・・・


顔のない敵
光文社カッパ・ノベル (2006.8.25)

1997年〜2006年発表の短編集。 テーマは、「対人地雷」。ただし、一作品(「暗い箱の中で」)を除く。


セリヌンティウスの舟
光文社カッパ・ノベル (2005.10.25)

何度か見かけた事のあるだけの関係だった、三好保雄、磯崎義春、 吉川清美、大橋麻子、米村美月、そして児島克之。 結果的には大きな話にはならなかったが、沖縄の海で遭難しかかり、 生死を供にしてしまったこの男女六人は、それからはよく一緒に 潜りに行っていた。そして帰りには三好のマンションへとやってきて、 飲み会をやって酔いつぶれるのも、いつもの事であった。 そんな、一緒に潜った帰りにいつも通り酔いつぶれた次の朝、 気がつくと、米村美月が青酸カリで服毒自殺していた。 一体、何があったというのか?生死を供にした仲間にも、言い出せない事が あったのか?そして、青酸カリの入っていた褐色の小瓶は、 どうしてキャップが閉められていたのか?そして、どうして転がっていたの か?49日の帰りに集まった残りの5人は、あの時の状況を回想する・・・


扉は閉ざされたまま
祥伝社ノン・ノベル (2005.5.30)

成城の高級ペンションで開かれた大学の同窓会。 旧友七名が、全国から集まってきた。 会場となったペンションは、安東章吾の兄が経営していたものだが、 体調を崩して休養中のため、たまには空気を入れ換えておいてくれと 頼まれたのに便乗したものだ。 そして集まったのは、大学で軽音楽部に所属していたメンバーの一部、 『アル中分科会』に所属する者達だった。 一番年上の上田五月、一つ違いでリーダー格の伏見亮介とペンション提供者の安東、 一年年下の新山和宏と碓氷(大倉)礼子、その下の石丸孝平、 そして大学の同窓ではないが、よく一緒に会っていた礼子の妹の碓氷優佳。 この同窓会で、伏見は新山殺害を計画し、実行した。 ただし、犯行現場は各自に割り当てられた部屋の中であり、 鍵がかかっていて密室状態。外にいる部外者は、部屋の中を見ることは出来ない。 しかし、高級ペンションの扉を叩き割って入るわけにはいかない。 そして伏見の巧みな誘導によって、犯行は事故に落ち着こうとしていた。 しかしただ一人、優佳だけは納得させられなかった・・・


人柱はミイラと出会う
新潮社 (2007.5.20)

アメリカのポートランドから日本に留学してきているリリー・メイス。 同じ学校に通う一木慶子の家にホームステイしている。 慶子の父は道議会議員の三郎、専業主婦の母は好江、 そしてたまにやってくるのは、人柱を職とするいとこの東郷直海。 欧米化された日本では、アメリカとほとんど同じような生活が出来るが、 それでも奇妙な風習も残っていて、時々驚かされるのだ・・・


水の迷宮
光文社 (2004.10.25)

東京都と地元企業が共同で設立した第三セクター方式の羽田水族館。 空港からのアクセスは良かったが、設備は旧時代のものであり、 雑な運営にやる気のない職員では、飽きられるのも早かった。 そんな中、たった一人で奮闘していたのが片山であった。 そこへ招聘されてきたのが、現館長の波多野実であった。 彼は従来の運営方式を変え、水槽の設計変更を行い、名称も 羽田国際環境水族館と変え、リニューアルオープンさせた。 始めは反発していた片山も、その良さを認めて館長に協力するようになるのに、 それほど時間はかからなかった。 しかしその片山が、隠れて一人で毎晩働いていたところ、 水槽の温度調整システムに問題があったためか、その対応に追われている時に 極度に疲れが溜っていたためか、急死した・・・


Rのつく月には気をつけよう
祥伝社 (2007.9.10)

大学時代の飲み仲間、『悪魔的な頭脳を持った長江高明』、『雑学博士の熊井渚』、 『美人の岡野真知子』、『野鳥の生態に詳しい桶山隼人』、そして私 『一升瓶を一気飲みできる湯浅夏美』。 真知子と桶山くんは、途中から参加しなくなっていたが、残りの三人の会は 社会人になってからも続いていた。 ただし、いつも同じメンバーでは進歩がないので、誰かが友達を一人ゲストとして 連れてくることになっていた・・・


月の扉
光文社カッパノベルズ (2003.8.25)

2000年(だと思う)7月16日20時、沖縄発羽田行き琉球航空第8便。 この飛行機に乗り込んだ柿崎修(46)、真壁陽介(37)、村上聡美(24)の三人は、 飛行機が離陸のために滑走路へ入ろうとしたとき、ハイジャックを開始した。 要求は、仲間である石嶺孝志を空港へと連れてくること。 ただし、釈放の必要はなし。連れてきたら、三人組はおとなしく飛行機から 出て行く・・・



戻る